あるある文化財VOL.204 白石新四国八十八ヶ所(3)(第3番~第6番)
所在地の後に四国八十八ヶ所(しこくはちじゅうはちかしょ)札所の寺院名と本尊を( )内に併記します。銘文の旧漢字は世話人名以外を常用漢字に直し、竿石に向かって正面を(正)、右側面を(右)、左側面を(左)と表記します。なお、四国の旧国名の阿波国(あわのくに)(徳島県)は「阿州(あしゅう)」と記されています。
第3番 福吉(ふくよし)・円通(えんつう)寺大師堂(金泉(こんせん)寺‐釈迦如来(しゃかにょらい))
上品上生(じょうぼんじょうしょう)(弥陀定印(みだじょういん)‐心の安定を示す)を結びます。方形台座の側面が欠損し、基礎は失われています。
(右)
明治十五午年
大世話人
大戸村喜多和十
(正)
第三番
本尊釈迦如来
阿州
金泉寺
(左)
大串喜平次
福吉村 中村林藏
野口平次郎
世話人草場寅左エ門
古田次助
第4番 住ノ江(すみのえ)区・信号「住ノ江」北西三差路(大日(だいにち)寺‐大日如来)
立てた左手人差し指を右手で握る智拳印(ちけんいん)(衆生(しゅじょう)の煩悩(ぼんのう)を菩薩に転じる)を結ぶ金剛界(こんごうかい)大日如来坐像(ざぞう)は、竿石に向かって右側に置かれています。舟形光背(ふながたこうはい)上部・方形台座の正面と竿石正面の右下が欠損し、竿石上には別の寄棟造(よせむねづくり)屋根が乗っています。
(右)
明治十五午年
大世話人
大戸村喜多和十
(正)
第四番
本尊大日如来
阿州
大日寺
(左)
住ノ江中
松尾善右エ門
世話人
川 﨑 武 吉
第5番 六府方(ろふかた)区・中村店北西祠(地蔵(じぞう)寺‐延命地蔵(えんめいじぞう))
下線の文字は風化して読めません。両手に宝珠(ほうじゅ)を乗せます。方形台座の側面が欠損し、坐像と竿石は別々に置かれ、基礎は失われています。
(右)
明治十五午年
大世話人
大戸村喜多和十
(正)
第五番
本尊地蔵尊
阿州
地蔵寺
(左)
福富下分村
渕上治左エ門
世話人
井 上 伊 八
第6番 六府方区・大福(だいふく)寺祠(安楽(あんらく)寺‐薬師(やくし)如来)
両手に円形薬壺(やくこ)を乗せます。舟形光背と方形台座の側面が欠損し、坐像と竿石は別々に置かれ、基礎は失われています。
福富下分(しもぶん)村の2人が第5・6番の世話人になっています。
(右)
明治十五午年
大世話人
大戸村喜多和十
(正)
第六番
本尊薬師如来
阿州
安楽寺
(左)
福富下分村
渕上治左エ門
世話人
井 上 伊 八
〈参考資料〉
HP(一社)四国八十八ヶ所霊場会
新四国八十八ヶ所研究会編『白石新四国設置由来 八十八ヶ所所在地及び本尊』平成23年
『白石新四国八十八ヶ所巡り ポンコツ女子珍道中2020』令和2年
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