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あるある文化財VOL.195 カササギ(2)(営巣1)

 前号において、カササギ(カチガラス)の概要について紹介しました。本号においては、カササギの営巣について紹介します。

 繁殖期を迎えたカササギは、番(つがい)で多数の小枝や内部には泥を使用し、直径約60cm、重さ約4kgにもなるボール状の巣を作ります。従来、カササギは樹上に巣を作っていましたが、現在では、大半が電柱上に巣を作っており、佐賀県内での電柱への営巣の割合は90%を超えています(江口2016)。

 カササギと同じく、電柱の柱上構造物を足場とし、その上に巣材を載せて営巣する他の鳥類の例として、ハシボソガラス、ハシブトガラス、キジバトが挙げられます(三上2019)。カラスの巣は、カササギのボール状の巣と異なり、上部が開いたすり鉢状の形状をしています。

 では、いつ頃からカササギは電柱に営巣するようになったのでしょうか。

 佐賀県では、同じくカササギの生息する福岡県・熊本県と比較し、カササギについての調査が数多く行われています。本号においては、調査手順が判明する営巣に関する昭和50(1975)、51(1976)、52(1977)、53(1978)、59(1984)年度の調査を取り上げます。調査は、29~36人の調査員が、3~6月の繁殖期に、県内の全域を分担して巡回を行い、カササギの巣の発見に努め、営巣数を記録したものです。

 この調査は、カササギがどのような場所に営巣しているかについて、大きく(1)樹木(2)電柱(3)その他の3つに分けて記録されています。(1)樹木については、常緑か落葉か、更に広葉か針葉か(これについては、昭和51年度以降の調査から)、(2)電柱については、電柱か高圧柱に細かく分類し記録されています。

 県全域での電柱営巣の割合は、昭和50年度は12%、昭和51年度は20%、昭和52年度は16%、昭和53年度は19%、昭和59年度は49%となっており、年度により多少の増減はありますが、全体としては電柱営巣の割合が増加していることが分かります(別表)。また、営巣の数も昭和50~59年の10年間で増加しています。


カササギ営巣数の推移

カササギ営巣数推移(佐賀県全域・白石町地域抽出)


 一方、白石町での電柱営巣の割合は、昭和50年度は35%、昭和51年度は56%、昭和52年度は43%、昭和53年度は57%、昭和59年度は82%に達しており、昭和50~59年の10年間でカササギの営巣場所に占める電柱営巣の割合が急激に高まっていることが分かります。佐賀県全域と比較しても、白石町の電柱営巣の割合が非常に高いことが分かります。ここでの白石町の数値は、合併前の旧白石町・旧福富町・旧有明町の3町の結果を合わせたものになります。

 特に注目される点として、旧福富町については、昭和50年度調査の時点で、既に電柱営巣の割合が78%と7割を超えている点です。県全域での電柱営巣の割合が12%であることからもこの高さが際立ちます。旧福富町の電柱営巣の割合が高い要因の一つとして、圃場整備事業による営巣可能な樹木の減少が挙げられます。旧福富町では、昭和27年(1952)から全町地域での農地の区画整理等の圃場整備が行われており、旧福富町に分布するカササギは、県内の他地域と比較して早い時期に電柱への営巣能力を身に付けたと思われます。

 昭和50年代の佐賀県内でのカササギの電柱への営巣増加の他の要因としては、電柱上の構造物の増加・複雑化が推察されています(江口2016)。電力使用者の増加により、電柱上に設置される構造物である電線の本数、分岐数、設置トランス数も増え、それに伴い、1本の電柱に設置される横木の数が増え、カササギが巣作りに容易な平行2本の横木を持つ電柱の数が増えたことが研究者により指摘されています(写真)。

 

カササギの巣

電柱の2本の横木上に営巣されたカササギの巣(牛屋東分)

 

 次号では、カササギの営巣についてのことわざと、電柱営巣と人々の関わりについて紹介します。

 

<参考資料>

江口和洋「カササギ」『日本鳥学会誌』2016年65巻1号

佐賀県『カササギの生態調査報告書』第1~4報 昭和50~53年度

佐賀野鳥調査研究会『カササギの生態調査報告書』昭和59年度

三上修「鳥類による人工構造物への営巣:日本における事例とその展望」『日本鳥学会誌』2019年68巻1号 ほか

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