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あるある文化財VOL.189 焼米溜池

焼米溜池

焼米溜池

 

 焼米溜池(やきごめためいけ)は、六角川(ろっかくがわ)左岸の武雄市(たけおし)北方町(きたがたちょう)志久(しく)に存在する溜池で、六角川を越えて白石町の農地に農業用水を供給しています。

白石平野を東西に流れる1級河川の六角川は、海水が住之江(すみのえ)河口から約29kmの武雄市潮見(しおみ)付近まで遡上(そじょう)する感潮(かんちょう)河川であるため、農業用水として使用することは困難であり、平野における水の確保が長年の課題でした。

 江戸時代、白石平野東部には、佐賀藩により五千間土居(ごせんげんどい)、六千間(ろくせんげん)土居などの大規模な干拓堤防(かんたくていぼう)(潮受(しおうけ)堤防)が築堤され、それにより生まれた干拓地に広大な農地が造営されました。しかし、農地の拡大の速度に既存の永池(ながいけ)溜池(武雄市北方町大渡(おおわたり))や嘉瀬川(かせがわ)溜池(白石町堤(つつみ))などからの農業用水では不足し、干害(かんがい)の被害が発生するなど課題も生まれました。

 佐賀藩は、白石平野への農業用水の水源を六角川対岸(左岸)に求めました。藩は溜池の候補地の調査を行い、明和(めいわ)8年(1771)に馬神(まがみ)谷(武雄市北方町大崎(おおさき))が候補となり、同年から複数回に渡り見分(けんぶん)が実施されました。また、寛政(かんせい)4年(1792)2月には牟田(むた)(武雄市朝日町(あさひちょう)甘久(あまぐ))も候補に加えられ見分が行われています。同年11月には焼米が候補として挙げられ、7カ年の調査の末、寛政11年(1799)に焼米の地に溜池を築堤することが決定します。

 焼米溜池の築堤は、堤床(つつみどこ)(築堤に伴い水没する土地)に居住する農民への移転補償を行った後、寛政12年(1800)に工事が開始されました。築堤に関しては3つの大きな問題がありました。1つ目は、佐賀藩には、重臣(じゅうしん)が藩内に独自の領地を持ち経営にあたる大配分(だいはいぶん)と呼ばれる制度があり、築堤予定地の焼米は、佐賀本藩領ではなく親類同格(しんるいどうかく)の多久(たく)家の所領であったこと。2つ目は、溜池の農業用水について六角川を越えて対岸の白石平野に供給しなればならなかったこと。3つ目は、白石平野東部の干拓地へ農業用水を供給する水路が、親類同格の須古鍋島(すこなべしま)家の所領である馬洗(もうらい)を通過しなければならなかったことです。

 1つ目の問題については、8代佐賀藩主鍋島治茂(はるしげ)が長年藩の重役である請役(うけやく)(藩内政のトップ)を務め、焼米の地を領有する9代多久邑主(ゆうしゅ)多久茂鄰(しげちか)より理解と協力を得て、代替地(だいたいち)を用意することで用地を確保することができ築堤が可能となりました。2つ目の問題については、六角川の水上を木製の筧(かけひ)を用いて横断することにより白石平野への農業用水の供給を可能にしました。3つ目の問題については、須古鍋島家領馬洗に建設する水路により減少する同家の所領について、佐賀本藩領の久治(くじ)の一部(白石町湯崎(ゆざき))を代替地(須古久治)とすることで解決しました。

 焼米溜池は、寛政12年(1800)に1期工事が完成し、筧により六角川を越えて白石平野に農業用水を供給しました。その後、六角川水上を越える木製筧の老朽化(ろうきゅうか)と管理の困難さから、大正(たいしょう)6年(1917)に川底に木管を敷設(ふせつ)しサイフォンの原理により六角川を横断しました。さらに昭和(しょうわ)10年(1935)には、木管から鉄筋コンクリート製のヒューム管に改修されました。

 溜池本体についても昭和7~9年(1932~1934)にかけて堤防の嵩上(かさあ)げ改修工事による増築、昭和48~52年(1973~1977)にかけての改修工事により、有効貯水量702,000㎥、満水面積15.6ha、受益(じゅえき)面積851ha、堤長367m、堤高9.8m、天端(てんば)幅4mの現在見られる姿になりました。溜池の管理は、現在白石土地改良区が担っており、現役の溜池として白石平野への農業用水の供給を行い、白石町の農業を支えています。

  

杵島郡北方郷図

『杵島郡北方郷図』焼米溜池 嘉永4年(1851)佐賀藩作製

(佐賀県立図書館所蔵『杵島郡北方郷図』部分に追記)

 

〈参考文献〉

北方町史編さん委員会『北方町史』上巻  昭和60年

佐賀県教育委員会編『佐賀県の近代化遺産-佐賀県近代化遺産(建造物等)総合調査報告書-』平成14年

佐賀県土地改良史編纂委員会『佐賀県土地改良史』平成6年

白石町史編纂委員会『白石町史』昭和49年

多久市史編さん委員会『多久市史』第二巻 近世編  平成14年

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