農地・水・環境保全向上対策(平成22年1月号)
農地・水・環境保全向上対策とは、農家と地域住民が力をあわせて農業資源を守っていこうという取り組みです。今回は「4B環境保全会」と「神辺水と緑を守る会」の活動を紹介します。
活動紹介
4B環境保全会 (有明地域・新明)
島ノ江代表から一言
4B環境保全会は、新明地区内に位置しており、有明海へ注ぐ只江川河口より上流に1km右岸側へ広がる田畑に囲まれた農村集落地域です。
当地域は、昭和44年に完工した国営有明干拓事業により造成された干拓地で、農業好適地帯となっており、集落内にある26戸のうち20戸が農業に携わっています。なお、河川河口付近ということで、付近に比較し地形的に最も低地であるため、度々洪水に悩まされてきましたが、近年は、排水機場・水路などの整備により、浸水の被害がほとんど無くなりました。こうした施設の機能を持続するため、定期的な点検・維持補修に努めています。
当会には農用地50haがあり、主に米・麦・野菜(玉ねぎ、キャベツ)・施設園芸作物(いちご、きゅうり)が栽培されています。また当会には、パイプライン5.5km、開水路5・6km、農道7・6kmに及ぶ農業用施設があり、生産組合・PTA・老人会・水利組合・婦人部・入作者により構成された当会会員の方々と一緒に活動をおこなっています。
(道路法面への芝の植栽)
昨年度の主な活動内容としては、道路側溝の流末で排水が悪い箇所へのU字溝の設置や道路側溝に堆積した泥の高圧洗車機とバキューム車の併用による除去をおこないました。他にも、農道法面の侵食防止のための芝生の植栽や開水路の草刈り・農道のゴミ拾い等、会員の方々の協力の下、地域の環境整備への取り組みをおこなっています。
今年度は、重機を使い開水路に堆積した泥の除去と、それにあわせて崩壊した水路法面の補修をおこないました。今年度内の活動としては、道路側溝の清掃、農道への砂利散布、空き缶・ゴミ拾い、草刈りなどを予定しています。
(水路の泥上げと水路法面の補修)
これからも、農地・水・環境保全向上対策の活動に継続して取り組み、集落内会員の交流を通じ、地域環境の保全という役割の一端を果たして行きたいと思います。
神辺水と緑を守る会 (白石地域・神辺)
田中代表から一言
神辺水と緑を守る会が活動している神辺集落は、白石平野北西部を流れる六角川流域の南部に位置し、集落南北を県一級河川須古川が流れています。当会は、地区内64世帯(うち農家24戸)と入り作農家20戸で活動しており、構成員の多数は、兼業農家や非農家となっています。
主な活動として、自治会の皆さんの協力による春季・秋季のクリーンデーでの水路・道路の草刈り、老人会・女性部会による空き缶・ゴミ拾い、子供クラブによる「川と田んぼの生きもの調査」(平成19年度)、「地域の川の水質調査」(平成20年度)など、生態系保全・水質保全・環境保全のための取り組みをおこなっています。
対象農用地には、米麦を中心に大豆・玉葱・レタス・複合施設ハウス(イチゴ・キュウリ・アスパラガスなど)が作付けされており、農業者・自治会・老人会・子供クラブ・女性部会・生産組合など地域住民が一丸となって、農村環境の向上を図っています。
(水路の泥上げ)
また、当地区は低平地に位置し、4月から8月に発生する異常気象による大雨の影響で、地区全体にまで及ぶ冠水が年2、3回程度の頻度で発生し、我々の日常生活や農作物に被害を及ぼしています。
(水路の水草の除去)
今年度は、水路・道路の草刈りや水草の除去、老人会による空き缶・ゴミ拾い、子供クラブによるEM菌・EM菌団子作りなどを実施しました。年度末までに、連絡水路の昼間部への調整井堰の設置や水路の泥上げ、女性部会による空き缶・ゴミ拾い、花苗の植栽を予定しています。
(子供クラブによるEM菌づくり)
今後も、役員会で活動状況の確認をおこない、これまでの活動を継続し、農地の保全・地域の環境保全向上のために取り組んでいきたいと思っています。
このページに関するお問い合わせ先 農村整備課 電話(直通):0952-84-7122