工事(開発)前の埋蔵文化財の手続きについて
埋蔵文化財とは?
埋蔵文化財とは、文化財の保存と活用を目的とした法律である文化財保護法で「土地に埋蔵されている文化財」として規定されています。いわゆる遺跡と呼ばれているもので、具体的には、昔の人々が暮らした住居の柱穴や古墳などのお墓などの土地に刻まれた遺構と、そこから出土する土器や石器などの遺物のことを指します。白石町でも縄文時代から近代までの遺跡が110か所以上見つかっています。これら埋蔵文化財は、地域の歴史や文化の成り立ちを明らかにするための貴重な国民共有の財産です。
埋蔵文化財の届出制度とは?
埋蔵文化財は一度破壊されると二度と元には戻りません。そのため、文化財保護法では、できるだけ埋蔵文化財の現状を変えないで保護するための決まりをつくっています。その一つが、埋蔵文化財の届出制度です(文化財保護法第93条)。埋蔵文化財が存在する地域(周知の埋蔵文化財包蔵地)で開発をする場合は、所定の様式での届出が義務付けられています。
照会から工事着工までの一般的な流れをフローチャートにしています。ご参照ください。
照会から工事着工までの一般的な流れ フローチャート (PDFファイル; 461KB)
届出が必要な開発行為とは?
届出が必要な開発行為は、土地を掘削したり、土を盛ったりする土木工事全般を指します。具体的には住宅や施設、構造物等の新設や増改築、宅地や駐車場の造成などです。届出は事業規模に関係なく、例えば、看板を設置するための狭い範囲の掘削であっても必要です。
ただし、通常の農作業等、これまで行ってきた掘削の範囲内で行われる日常的な掘削等は届け出の必要はありません。
1.まずは周知の埋蔵文化財包蔵地に該当するか調べましょう
開発を計画する段階で、その土地が遺跡の範囲(周知の埋蔵文化財包蔵地)に該当するか、下記の情報がわかる地図を準備して生涯学習課にファックス(代表FAX:0952-84-6611)するか来庁して照会してください。ファックスの際は、あて先を「生涯学習課」と明記してください。
照会の際に必要な情報
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開発を計画している場所の地番
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開発を計画している場所がわかる住宅地図等(場所がわかるように太線等で囲んでください。また、ファックスの場合、カラーの地図や印刷が薄い地図は読み取れないことがありますので、白黒ではっきりした地図をお願いします。)
また、佐賀県のホームページでは、周知の埋蔵文化財包蔵地を確認することができます。参考にしてください。
(1)遺跡の範囲に入っていない場合
開発予定地が周知の埋蔵文化財包蔵地に入っていない場合は、届出は不要です。ただし、遺跡の隣接地や大規模な開発など、遺跡が出る可能性がある場合は、確認調査をお願いすることがあります。
また、周知の埋蔵文化財包蔵地以外の土地でも工事中などで遺跡を発見した場合は、遺跡の現状を変更することなく、生涯学習課への届出が必要です(文化財保護法第96条)。この場合、工事の中断・遅延という事態になりますので、事前の確認調査へのご協力をお願いします。
2.遺跡の範囲に入っている場合 届出が必要です
開発予定地が周知の埋蔵文化財包蔵地に該当した場合は、工事着工の60日前までに届出が必要です。所定の様式にご記入のうえ、関係資料を添えて生涯学習課にご提出ください。
届出の様式等はこちら
3.県からの通知
届出後、県から開発予定地の工事について指示が書かれた通知文が届きます。内容は、以下の3つのうちのいずれかになります。通常、町教育委員会に届出を提出してから3~4週間で通知文が届きます。
確認調査
開発予定地の一部を重機等で掘り、開発予定地に遺跡があるか調べます。周知の埋蔵文化財包蔵地以外でも、確認調査を行い遺跡があるか調べる場合があります。
工事立会
掘削等の工事の際に、教育委員会の担当職員が立ち会い、遺跡の状況を確認します。図面を作成したり、写真を撮影したりします。工事の日程が決まり次第、生涯学習課にご連絡ください。
慎重工事
遺跡への影響がないと判断される場合に出される指示で、「周知の埋蔵文化財包蔵地であるという認識の上で、慎重に工事をしてください」という意味です。しかし、掘ってみないと遺跡があるかどうかわからないという埋蔵文化財の特性上、工事中に遺跡が発見されることがあります。この場合は、遺跡の現状を変更することなく、すみやかに生涯学習課までご連絡ください(文化財保護法第96条)。
4.確認調査について
埋蔵文化財は地面の中にあるため、どこに存在しているか掘ってみないとわかりません。そのため、開発予定地の一部を掘削して、遺跡の有無を確認します。掘削する面積や深さは、開発地の現況や開発面積等によって異なります。また、調査に必要な期間についても、開発面積や遺跡の状況等で変動しますので、余裕を持った届出、相談をお願いします。確認調査にかかる費用は、原則として町教育委員会が負担します。届出者の方は、調査実施時期等について事前に協議をお願いします。
確認調査後は、町教育委員会から県に調査結果の報告を行います。その後、県から開発予定地の工事について指示が書かれた通知文が届きます。
(1)遺跡が確認されなかった場合
「慎重工事」対応となり、工事に着手することができます。しかし、工事中に埋蔵文化財が発見された場合は、遺跡の現状を変更することなく、すみやかに生涯学習課までご連絡ください(文化財保護法第96条)。
(2)遺跡が確認された場合
確認調査で遺跡が確認された場合は、その遺跡の保護について町教育委員会と協議を行います。計画変更等を行い、遺跡が保護できると判断されれば、「工事立会」や「慎重工事」対応となり、工事に着手できます。この場合も、工事中に埋蔵文化財が発見された場合は、遺跡の現状を変更することなく、すみやかに生涯学習課までご連絡ください(文化財保護法第96条)。
遺跡の保護が不可能である場合は、開発によって失われる範囲の遺跡の発掘調査を行い、記録を残します。発掘調査終了後は、出土遺物の整理を行い発掘調査報告書を刊行します。発掘調査や発掘調査報告書刊行に係る費用は、原則として開発を行う事業者の負担をお願いしています。発掘調査終了後、現場引き渡しとなり、工事に着手できます。まれに、発掘調査を実施した結果重要な遺跡が発見された場合は、保存について協議する場合があります。
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このページに関するお問い合わせ先 生涯学習課 生涯学習係 電話(直通):0952-84-7129